大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)371 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士津島宗康の上告理由第一点について。

被控訴人(上告人、被告)は、控訴人(被上告人、原告)の承諾を得ないで本件

家屋の転貸部分を訴外Dに転貸した旨の原審の事実認定は、挙示の証拠関係に照し

これを肯認できないことはなく、その間所論の条理、社会通念ないし経験則に反す

る違法は認められない。所論は、結局原判示に副わない事実をもつて、原審が適法

になした証拠の取捨、判断又は事実の認定を非難するに帰し採ることができない。

同第二点について。

しかし、原判決の認定した諸事実は、挙示の証拠関係に照しこれを肯認できない

ことはなく、原判決が、この諸事実を彼此勘案し被控訴人のなした本件転貸行為は、

家屋賃借人として家屋賃貸人との間の信頼関係を著しく裏切る行為と断ずるに妨げ

なく、判示背信行為と認められないような特段の事情が存するとはいえない旨、並

びに、本件解除をもつて権利の濫用であるとも見られない旨各判断したのは、すべ

て正当であるとして是認することができる。所論引用の判例は、本件に適切でない。

されば、原判決には、所論の違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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裁判官 高 木 常 七

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